尿路結石




尿路結石とは、腎臓でつくられた尿が膀胱にたまった後、体外に排泄されるまでの通路(尿路)に結石ができる病気をいいます。

結石は尿中に含まれるカルシウム、シュウ酸、リン酸、マグネシウムなどの成分が結晶となったもので、結石ができる原因は、尿路感染、代謝異常、ホルモン、薬などの影響がありますがおよそ約80%は原因不明です。

尿路結石は、結石ができた場所によって「腎臓結石」、「尿管結石」、「膀胱結石」、「尿道結石」という病名に分けられます。
結石の種類

・シュウ酸カルシウム塩

 尿中のシュウ酸の濃度が増えることによりできる結石。尿路結石の約80%を占めています。

・リン酸マグネシウムアンモニウム塩

 尿素分解菌による細菌の尿路感染が原因で出来る結石。
 尿素分解菌は尿素をアンモニアと炭酸ガスに分解し、このアンモニアにより尿がアルカリ性になるのが特徴です。

・尿酸塩

 尿が酸性になったときにできやすい結石。
 痛風、高尿酸血症、高尿酸尿症などの人がなりやすいとされています。

主な症状

「疝痛発作」と呼ばれ腰背部から側腹部にかけて激痛が起こり、血尿、嘔吐などの症状がでます。症状は、結石の大きさや、場所より違いますが、まったく症状が無いときや(サイレントスト−ン)、鈍い痛みだけのときもあります。また男性は精巣、女性は外陰部に痛みを起こすこともあります。血液中の女性ホルモンの量を調べる他に、視床下部―下垂体―卵巣系の機能検査を調べるために、LH−RHを静注しFSH、LH量の時間的変化を調べる検査などがあります。

主な検査方法

尿路結石は超音波検査、腹部X線、尿管造影などで見つけることができます。その他の血液検査、尿検査では下記の表のような検査法があります。

検査項目 臨床的意義
尿検査 尿潜血反応 尿中に血液成分(ヘモグロビン)が混じっているかどうかを試験紙で調べる検査。
尿沈渣 尿中の沈殿物を顕微鏡で観察し、細胞、細菌、結晶などを調べる検査。
血液検査 尿素窒素 新陳代謝によってできる最終代謝産物。腎機能に障害があると尿中に排泄されず血中で増加します。
クレアチニン
尿酸 新陳代謝によってできる最終代謝産物。痛風、高尿酸血症の人や、腎機能に障害があると尿中に排泄されず血中で増加します。
無機リン 腎機能に障害があると再吸収されず、血中で低下します。