膠原病



膠原病の共通する3つの疾患人の体の細胞と細胞の間には、膠原繊維やその他の繊維などの結合組織があり、糊のような役目をしています。皮膚、肝臓、腎臓、関節、血管、筋肉など、からだのあらゆる組織や臓器の細胞は、この結合組織によって結び合わされています。この結合組織に炎症が起きることを膠原病といい、主な病名は、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、皮膚筋炎(または多発性筋炎)、結節性多発性動脈症などです。膠原病のなかで最も多いのが、慢性関節リウマチで、女性に多く発病します。

膠原病に共通する原因

膠原病が、発病する原因の1つとして自己免疫といわれる免疫機能の異常が考えられます。本来、免疫とは、からだの外から侵入する外敵に対して、自分を守る働きをしますが、自己免疫状態では、自分のからだの一部を敵とみなして攻撃する性質をもつようになります。なぜこのような異常が起こるかは、明らかになっていません。


主な症状

膠原病の症状は、それぞれの病気によって違いますが、共通の症状として、発熱、関節痛、筋肉痛、だるい、疲れるといった症状が見られます。

検査方法

膠原病を調べる血液検査には、炎症によって増える蛋白質を調べる、血沈やCRPなどの検査があります。また自己免疫の関与を調べる、抗核抗体や補体価といった検査もあり、最近では、それぞれの膠原病に特異的な自己抗体検査もあります。

主な自己抗体検査
RAテスト IgGという蛋白質に対する自己抗体(リウマチ因子)を検出する検査で、主に慢性関節リウマチの診断に有用です。
RF定量
抗核抗体 細胞の核内に含まれるさまざまな抗原に対する自己抗体を調べる検査。膠原病が疑われたときに最初に行われるスクリーニング検査です。
抗DNA抗体 DNAに対する自己抗体。 膠原病のスクリーニング検査として用いられますが、特に抗dsDNA抗体は全身性エリテマトーデスの診断に有用です。
抗ssDNA抗体
抗dsDNA抗体
抗RNP抗体 ENA(核の粗成分)に対する自己抗体。 混合性結合組織病(全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎の二つ以上が混在)の診断に有用です。
抗Sm抗体 ENA(核の粗成分)に対する自己抗体。 全身性エリテマトーデスの診断に有用です。
抗Scl-70抗体 細胞核内に存在する酵素に対する自己抗体。 全身性進行性強皮症の診断に有用。
抗Jo-1抗体 ヒスチジルt−RNA合成酵素に対する自己抗体。 多発性筋炎、皮膚筋炎の診断に有用です。
抗SS-A抗体 蛋白(低分子リボ核蛋白)に対する自己抗体を検出する検査。特に抗SS−A抗体は膠原病で高率に検出されます。
抗SS-B抗体
抗CL・β2-GP1
複合体抗体
リン脂質またはその複合体に対する自己抗体。 膠原病、抗リン脂質抗体症候群の診断に有用です
ループスアンチ
コアグランント