夏の風邪
ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜炎(プール熱)、原因ウイルス



風邪は、独立した1つの病気ではなく、さまざまなウイルスによって、引き起こされる呼吸器系の病気の総称です。風邪の原因ウイルスは、夏と冬では湿度などの環境の違いにより異なります。冬の風邪の主な原因ウイルスは、インフルエンザウイルス、RSウイルスで湿度の低い環境を好みますが、夏の風邪の主な原因ウイルスは、エンテロウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルスなどで、湿度の高い環境を好みます。これら夏の風邪の原因ウイルスによって発症する代表的な疾患は、ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜炎(プール熱)で6月末〜7月にかけて流行し、主に乳幼児〜小児にかけて多く発病します。


ヘルパンギーナ 突然38〜40度の高熱を発し、続いて喉が痛くなり、口腔内に赤みを伴った小さな水疱ができます。
手足口病 その名の通り、手のひらや足の裏に米粒ぐらいの水泡と口の中の粘膜に赤い水泡発疹ができます。
咽頭結膜炎(プール熱) プールを介して流行することが多いのでプール熱とも呼ばれています。発熱、咽頭炎、急性結膜炎が主症状です。


夏の風邪の原因ウイルスは、冬のウイルスと違い、腸にも増殖するため、喉や鼻の分泌物以外の糞便からも感染します。患者の便は、ときには1ヶ月ほどウイルスが出ている可能性があるので、よく手を洗うことが最大の予防法です。またエアコンの温度の下げすぎは、喉や鼻の線毛の動きを鈍くしウイルスが侵入しやすくなります。しっかりとしたエアコン対策も夏風邪の予防の1つです。


夏の風邪の原因ウイルス

ヘルパンギーナ 手足口病 咽頭結膜炎
(プール熱)
症状 ・急な発熱と咽頭痛
・口の中にできる水泡性口内炎
・手のひらや足の裏、口の中の水泡発疹 ・急性結膜炎
・発熱
・咽頭炎
原因ウイルス ・コクサッキーウイルス A群4, 6,10型
・コクサッキーウイルス B群
・エコーウイルス
・コクサッキーウイルス A群1 6型
・エンテロウイルス 71型
・アデノウイルス 3,7型
感染経路 ・鼻汁、糞便による経口感染
・咳などによる飛沫感染
・鼻汁、糞便による経口感染
・咳などによる飛沫感染
・眼、咽頭分泌物、糞便による経口感染
潜伏期間 2〜4日 3〜6日 5〜6日
好発年齢 乳幼児〜小児 乳幼児〜小児 乳幼児〜小児
予防法 ・手洗い、うがい ・手洗い、うがい ・手洗い、うがい
・タオルの貸し借りはやめる
・水泳後の洗眼、シャワーをしっかり行う
検査法 ・抗体検査(血液) ・抗体検査(血液)
・抗原検査(分泌物)
・抗体検査(血液)
・抗原検査(分泌物)