インフルエンザは、インフルエンザウイルスが鼻腔や咽頭粘膜の細胞に侵入し、その中で増殖し、呼吸器疾患をひき起こすことをいいます。
インフルエンザウイルスは、膜の表面が2種類のトゲのような突起で覆われています。この2種類の突起は、H蛋白、N蛋白と略されていますが、この突起の組み合わせなどから、インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型に分類されます。なかでもA型インフルエンザは、H、N蛋白とも複数の種類がありその組み合わせでさらに分類されます。1999年の冬、日本で流行したのは、A型インフルエンザウイルス香港型(H3N2)、とソ連型(H1N1)でした。
症状
インフルエンザは、かぜとよく混同されますが、かぜは、喉の痛み、鼻水、くしゃみ、咳などが中心で、全身症状はあまりみられません。一方、インフルエンザは、寒気、倦怠感、関節痛、頭痛、39℃以上の発熱などの全身症状が強く、あわせて、喉の痛み、鼻汁などの症状もみられます。
又、高齢者や、乳幼児、呼吸器疾患、心疾患の方は、合併症を併発する場合があります。乳幼児では、インフルエンザ脳炎や脳症、高齢者では、肺炎、気管支炎を併発する場合があります。
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インフルエンザとかぜの症状 |
項目 |
インフルエンザ |
かぜ |
発症 |
急性 |
徐々に |
主症状 |
悪寒、頭痛、発熱、倦怠感、
全身痛など |
くしゃみ、咽頭痛、鼻水、
鼻づまり、咳など |
発熱 |
39〜40℃ |
ほとんどない
もしくは、37度前後 |
合併症 |
肺炎、気管支炎、脳炎、
脳症など |
ほとんどない |
原因ウイルス |
インフルエンザウイルス |
ライノウイルス
コロナウイルス
RSウイルスなど |
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検査方法
インフルエンザウイルスに感染しているかどうかを調べる検査法として、血液を用いて調べるウイルス抗体価検査が確定診断として用いられています。最近ではインフルエンザ治療薬と共に、鼻汁や咽頭ぬぐい液を用いて抗原を調べるインフルエンザ抗原迅速検査法が開発されました。この検査方法は、30分以内で検査結果が得られ、迅速診断に有効とされています。
予防法
・十分な栄養と休養をとる。
・人混みを避ける。
・室内の乾燥に気をつける。
・マスクの着用。
・手洗いとうがいの励行。
・ワクチンの接種(特に65歳以上の高齢者)
インフルエンザは感染者が咳、くしゃみをすると空気中にウイルスが放出され、それを吸入することによって感染します。しかもかなり強い伝染力を持っています。又、ウイルスは、気温、湿度が下がると感染率が高くなるといわれています。これから寒くなる12月〜3月にかけてインフルエンザの流行時期といわれています。
しっかりとした予防でインフルエンザを防ぎましょう。 |