出血傾向(止血検査)




血管が損傷し出血が起きると、血液中の血小板と何種類もの凝固因子という物質が働き、出血を防ごうとします(止血機能)。出血傾向とは、止血機能の働きが衰え、ちょっとした刺激で簡単に出血し、一旦出血すると血が止まりにくくなる状態をいいます。出血傾向があると、鼻血、血便、血尿のように体の外に出血するだけでなく、皮下、粘膜下、関節などからの出血で青あざや(紫斑)、赤い斑点(出血点)などができたりします。

出血傾向の原因と疾患名


出血傾向の原因は大きく3つに分けられます。

 1.血管に問題がある場合

   血管性紫斑病など。

 2.血小板に問題がある場合

   特発性血小板減少紫斑病、先天性血小板機能異常、
   再生不良性貧血、白血病など

 3.凝固因子に問題がある場合

   血友病、ビタミンK欠乏症、肝疾患、凝固因子欠乏症など

止血機能の働き
主な検査方法

止血機能の検査方法として血液中の血小板数を調べる以外に下記の表の検査があります。

主な検査方法
出血時間 耳たぶに傷をつけ、出血した血液が自然に固まって止まるまでの時間を測定する検査。主に血小板機能の診断に有用
凝固時間 静脈血を採取し、その採血時から血液の流動性が消失するまでも時間を測定する検査。 凝固因子の因子のスクリーニング検査に有用
凝固因子関連検査
プロトロンビン時間
(PT)
出血を止める時に中心的な働きをする因子。組織での血液凝固(外因系)に関係するすべての凝固因子の異常を調べる検査
活性化部分トロンボ時間
(APTT)
主として血管内の血液凝固(内因系)の凝固因子の異常を調べる検査
フィブリノーゲン 血液凝固のメカニズムの最終段階に存在する因子。 肝障害になると、減少し出血しやすくなる
FDP フィブリノーゲンが線維素フィブリンとなり酵素によって分解されます。このときに出る老廃物がFDPで、主に血栓症の診断に有用です