心疾患




心臓は、心筋と呼ばれる筋肉からできており収縮と拡張という規則正しい運動を繰り返し、血液を全身に送り出すポンプのような働きをしています。この血液によって、全身の臓器は、酸素や栄養分を受け取ることができます。
普通心臓から送り出される血液の量は、1分間に5リットルくらいで、60〜80回収縮します。1日に心臓が打つ回数は、約数万回、1年にすると、約4千万回といわれ、人が生きていく限り心臓は休むことなく苛酷な働きを続けています。

心臓病

心臓病は、生活習慣の欧米化にともない、現在のところ増加傾向にあり、癌についで日本人の死亡原因の第2位となっています。

心臓病のの種類

心臓病は、原因や症状によりいくつかの種類に分けられます。

虚血性心疾患
(狭心症、心筋梗塞)
心筋に酸素と栄養を送る冠動脈に障害が起きる病気をいい、狭心症と心筋梗塞の2つに分けられます。
狭心症 冠動脈が狭くなり、心筋が酸素不足と栄養不足に陥る状態。
 ・ 心筋梗塞 動脈硬化などにより冠動脈がつまり、心筋に栄養と酸素がいかなくなり心筋が壊死に陥る状態。
弁膜症 心臓にはポンプの働きをするために4つの弁があります。その弁の開きが悪くなったり(狭窄症)、閉まりが悪くなったり(閉鎖不全)して血液が逆流する病気。
心筋症 心筋が肥大したり、変性したりする病気。
不整脈 心臓の収縮と拡張を繰り返すリズムが乱れる状態。
心不全 疾患名ではなく、何かの原因があって、心臓の働きが悪くなる状態を言います。
その他 先天性心疾患、高血圧、動脈瘤など。
  
 

主な心臓病の検査
下記の検査のほかに、さらに詳しく調べるためにカテーテル検査や造影検査などがあります。
生理機能検査 心電図 心臓が収縮する時に心筋から発生するわずかな電気を増幅させ、波形グラフ化して心臓の異常を調べる検査。
負荷心電図 運動などをして、心臓に一定の負担をかけ潜在的な血流不足を検出する検査。
ホルター心電図 24時間継続して、心電図を記録し一過性の血流不足や、不整脈を調べる検査。
超音波検査
( 心エコー )
心臓を画像化し、心臓の形、心筋の厚さや動き、弁の動きや血流などを調べる検査。
血液検査 GOT さまざまな臓器の細胞に含まれる酵素で、障害を受けると細胞から逸脱し血中濃度が増加する。特に、肝疾患、心疾患で上昇する。
LDH
CPK(CK) 心筋、骨格筋、平滑筋、脳などの細胞に多く含まれる酵素。筋肉疾患、心疾患で上昇する。
CK-MB CPKの3つの組成(アイソザイム)の中の1つで、最も心筋に多く含まれる酵素。 急性心筋梗塞の早期診断に有用。
心筋トロポニンT 心筋を構成する蛋白質。 心筋障害に特異性があり、急性心筋梗塞の早期診断に有用。
ミオシン軽鎖T 心筋を構成する蛋白質。 心筋梗塞の病態把握に有用。
ミオグロビン 筋肉中に存在する蛋白質。 急性心筋梗塞で上昇する。
HANP 心臓の心房または、心室で合成され、血中に分泌されるホルモン。生体の体液バランス、血圧調整に関与し、心不全で上昇する。
BNP