アレルギ様食中毒
ヒスタミンによる食中毒と衛生管理




ヒスタミンによる食中毒

食品中で異常に蓄積したヒスタミンによって起こる食中毒で、食後1時間後位から口の周りの熱感や眠気、じん麻疹様発疹などのアレルギー様症状を起こします。腹痛や下痢などの胃腸炎症状はほとんどみられません。

原因食品は魚肉で、魚肉蛋白質中のアミノ酸が腐敗の過程で多量のヒスタミンとなります(ヒスチジンがバクテリアの作用による脱炭酸化によって蓄積される)。

最近では、昨年11月、長野県北佐久郡の中学校の学校給食で出されたカジキマグロのフライが原因食品で、36名の生徒が顔面紅潮、頭痛などの症状を訴える事例が発生しました。このカジキマグロのフライから高濃度のヒスタミンが検出されています。



ヒスタミンを利用した衛生管理

ヒスタミンは殺菌しても分解されず残ることから、製造工程で衛生管理が行き届いていたかどうかを判断する優れた指標になります。完成品のみならず製造過程の各所で中間品を測定することでより綿密な衛生管理を行うことができます。